Vol.14 携帯ゲーム機の行方 2003.5.14
超久しぶりのコラムである。
本当はこんなに早く復活する予定ではなかったのだが緊急事態であるのでいきなり復活である。

さて、今回の話題は「携帯ゲーム機」である。
2003年5月14日(日本時間)、アメリカで開催中のE3(日本で言うゲームショーみたいな物)でSCEI社長から
「PSP(プレイステーションポータブル)」が発表された。
会社で携帯に入ってきたニュース(「SCEが携帯ゲーム機に参入」)を読んだ俺は「ついにSCEもGBAに屈したか」
と思ったがニュースサイトを見てめちゃくちゃ驚いた。

そして、すぐに達した結論。
「SONYの負け」

どこが駄目かというとまずスペック
直径6cmのユニバーサル・メディア・ディスクを使用(容量1.8GB)
MPEG-4もしくはそれに準ずるCODECのデコード可能
ATRAC3やAACなどの音声圧縮CODECもサポート
16:9ワイドスクリーン液晶、480 x 232 ピクセル(バックライト付き4.5インチ)
メモリースティック用スロット、USB2.0ポート搭載
CPUはグラフィックエンジン、サウンドエンジン、メインメモリなどを1チップに統合。
リチウムイオンバッテリー搭載
これだけの機能をそなえるのは別に構わない。
ただ、ここまで来るとちょっとしたPDAよりも高機能になったりする。
確かにPDAなどでも消費電力の少ない物はある。しかし、ディスクを回すとなると話が変わってくる。
その上、液晶は常にほぼフル照度。こんなのバッテリーを搭載していたところでたかがしれてるだろう。

そして、一番の間違いは「方向」を間違えていること。
どうやらグラフィックなどはPSを上回るようだが、正直、携帯ゲームでプレイしたい物だとは思えない。
CGなどのきれいな画面は大きいテレビでプレイした方がよりいいだろう。
今のGBA人気がファミコンやスーパーファミコンのリメイクで盛り上がっているのがわからないのだろうか?
結局、本体は売れてもソフトが売れないのは外見ばかりがよくて中身が薄っぺらいソフトが多いからである。
そして、皮肉なことにきれいな外見(グラフィック)で覆い隠すことの出来ないGBAにはゲームの中身が詰まった
ソフトが集まってしまった。(逆転裁判など)
また、リメイク作品などはセーブ機能がついたり、新しいシナリオがついたりしてプレイしやすくなり、
ファミコン世代だった大人に人気が出ている。

そう、人々はゲームとは何か?ということを考え直してきているのである。

ここ数年のゲームバブルは正に絵さえよければ何でもいいという傾向にあった。
が、最近は「絵が綺麗」より「長く遊べる良作」を求めるようになったのである。

どうしてGBAがヒットしているのかを考えずに出したような企画としか思えない「PSP」
発売は2004年末としている。
価格は未定だがこれだけの機能をつけたら最低3万はすると思う。この価格ではツライのは確実。
PDA機能がつけば微妙だが同社がクリエを出している間はそんな機能を標準でつけるとは思えない。
というわけで全然売れずに敗北というのが俺の結論。

では最後に一言・・・
「いくら手を広げようと言っても無茶しすぎ」

※解説
SONYの収益は悪化の一途を辿っている一方、唯一好調なゲーム部門でも収入
のかげりが見え始めてきたために打った方策だと思われるため。